あなた教員採用試験の志望動機って、何を書けばいいの?
志望動機で大切なのは、立派な言葉や珍しい経験ではありません。
なぜ教員になりたいのか。なぜこの自治体なのか。採用後に何をしたいのか。
この3つを、自分の経験に沿って説明できることが重要です。
志望動機は、結論→きっかけとなった経験→目指す教師像→自治体での行動の順で作ります。
教育方針へ共感しただけで終わらせず、自分がどのように働きたいのかまで伝えましょう。
この記事では、志望動機を考える順番と書き方を、経験別の例文とともに解説します。
教員採用試験の志望動機で伝える3つのこと
教採の志望動機では、教員になりたい理由だけを書けばよいわけではありません。
次の3つを分けて考えると、内容を整理しやすくなります。
教職を選んだ経験や理由
受験先を選んだ理由
教師として取り組みたいこと
教員を目指した理由
教育実習、講師、学習支援、恩師との出会いなど、教員を目指すきっかけは人によって異なります。
大切なのは、出来事を紹介するだけで終わらず、その経験から何を考え、なぜ自分も教員になりたいと思ったのかを伝えることです。
自治体を選んだ理由
教員志望理由と、自治体志望理由は別の質問です。
「教育方針に共感した」だけでは、その自治体で働きたい理由が十分に伝わりません。
自治体の取り組みと自分の経験を照らし合わせ、どのように貢献したいのかを考えます。
採用後に取り組みたいこと
志望動機は「教員になりたい」で終わらせず、採用後の行動まで示します。
日々の授業、生徒指導、学級経営、保護者対応など、自分が教師として何を大切にしたいのかを書きましょう。
3つを別々に話すのではなく、経験→目指す教師像→自治体での行動が一貫するように整えます。
志望動機を作る前に整理すること
最初から文章を書こうとすると、よくある表現を並べただけになりやすいです。
文章にする前に、経験・教師像・自治体の3つを整理しましょう。
- STEP 1きっかけとなった経験を振り返る
教員になりたいと考えた出来事を具体的に書き出します。
- STEP 2目指す教師像を決める
その経験から、どのような教師になりたいと思ったのか考えます。
- STEP 3自治体との共通点を探す
受験先の教育施策と、自分が取り組みたいことを比べます。
教員を目指した経験を掘り下げる
目立つ経験がなくても問題ありません。
誰かに教えた経験、相手の成長を支えた経験、学ぶ楽しさを感じた経験などを振り返ります。
経験を整理する質問
- どのような出来事だったか
- 自分は何を感じたか
- なぜ教員という仕事を意識したか
- ほかの仕事ではなく教員を選ぶ理由は何か
- その経験を教師としてどう生かしたいか
目指す教師像を行動で考える
「生徒に寄り添える教師」という表現だけでは、具体的な姿がわかりません。
たとえば、どのように声をかけるのか、授業で何を工夫するのか、周囲とどう連携するのかまで考えます。
生徒に寄り添える教師になりたい。
日頃から生徒の様子を確認し、小さな変化に気づいたときは声をかけ、必要に応じて同僚と相談しながら支援したい。
受験自治体について確認する
自治体志望理由を作るときは、教育委員会が公表している情報を確認します。
- 求める教師像
- 教育振興基本計画
- 教育の重点施策
- 児童生徒や地域の状況
- 受験年度の実施要項
すべてを盛り込む必要はありません。自分の経験や目指す教師像に近い取り組みを一つ選びます。
教員採用試験の志望動機の基本構成
考えを整理できたら、4つの順番で文章にします。
1.結論
最初に、目指す教師像や実現したい教育を短く伝えます。
「私は、生徒が安心して挑戦できる学級をつくる教師を目指しています」のように、最初の一文で方向を示しましょう。
2.きっかけとなった経験
結論の根拠となる経験を書きます。
出来事を細かく説明しすぎず、何を感じ、どのように考えたかを中心にします。
3.自治体を選んだ理由
受験自治体が取り組んでいる教育と、自分の経験や考えが重なる部分を伝えます。
自治体の施策名を挙げるだけでなく、なぜ自分が関心を持ったのかを説明してください。
4.採用後の行動
最後に、採用後にどのような行動を積み重ねるのかを書きます。
実現できるかわからない大きな目標よりも、授業や学級で実践できる行動を示すほうが伝わります。
経験別|教員採用試験の志望動機例文
ここでは、大学生・講師経験者・社会人経験者の例文を紹介します。
例文は文章の流れを確認するためのものです。そのまま使うと、詳しく聞かれたときに答えられません。必ず自分の経験と受験自治体に置き換えてください。
大学生の志望動機例文
私は、児童が安心して自分の考えを表現できる学級をつくる教員を目指しています。学習支援の活動で、発言をためらっていた児童に少人数で考えを聞くと、少しずつ自分から話してくれるようになりました。この経験から、一人ひとりが参加しやすい環境を整える大切さを学びました。対話を重視した授業づくりに取り組む○○市で、児童の反応を確かめながら発問や活動を工夫し、学ぶ意欲を支えたいと考え志望しました。
安心して考えを表現できる学級をつくる
学習支援で発言をためらう児童と関わった
対話を重視し、発問や活動を工夫する
講師経験者の志望動機例文
私は、生徒の理解を確かめながら授業を改善し続ける教員を目指しています。講師として授業を担当するなかで、同じ説明でも理解の仕方は生徒によって異なると実感しました。そこで、小テストや授業中の反応を確認し、説明や課題の出し方を見直してきました。授業改善を学校全体で進める○○県で、同僚から学びながら実践を重ね、生徒が「わかった」と感じられる授業を増やしたいと考え志望しました。
理解を確かめながら授業を改善する
講師として説明や課題の出し方を見直した
同僚から学び、授業改善を続ける
社会人経験者の志望動機例文
私は、児童生徒が周囲と協力しながら課題に向き合える力を育てる教員を目指しています。前職では、顧客の要望を聞き取り、社内の複数部署と相談しながら解決策を考えてきました。その経験から、相手の話を丁寧に聞き、異なる立場の人と協力する大切さを学びました。地域や企業と連携した学びを進める○○市で、社会人経験を授業や進路指導に生かし、児童生徒が将来を考える機会を増やしたいと考え志望しました。
協力して課題に向き合う力を育てる
顧客と社内の意見を聞き、解決策を考えた
社会人経験を授業や進路指導に生かす
例文中の自治体施策は仮の内容です。実際に使うときは、受験自治体の公式資料で施策の名称や内容を確認してください。
伝わりにくい志望動機の特徴
志望動機が伝わりにくくなる原因は、経験が弱いからではありません。
よくある表現だけで終わり、自分の考えや行動が見えないことに問題があります。
「子どもが好き」で終わる
子どもが好きなことは、教員を目指すきっかけになります。
でも、教員は授業や生徒指導、保護者対応などを担う仕事です。どのように子どもの成長を支えたいのかまで説明しましょう。
子どもが好きで、成長を支える仕事がしたいと思い教員を志望しました。
学習支援で、伝え方を変えると児童が自分から問題に取り組む姿を見ました。この経験から、一人ひとりに合う方法を考え、学ぶ意欲を支える教員を目指しています。
恩師への憧れだけで終わる
恩師との出会いは、志望動機として使えます。
「先生に憧れた」だけではなく、どの行動に影響を受け、自分は何を実践したいのかを書いてください。
教育方針へ共感しただけで終わる
教育方針への共感は、多くの受験者が書ける内容です。
自分のどの経験と重なるのか、採用後にどのような行動を取りたいのかを加えましょう。
「一人ひとりを大切にする教育」に共感し、○○市を志望しました。
学習支援で、児童によって理解しやすい説明が異なると学びました。一人ひとりに応じた教育を進める○○市で、反応を確かめながら指導方法を工夫したいと考え志望しました。
自治体を褒める文章になる
自治体の魅力を並べても、自分を採用する理由にはなりません。
自治体の説明は短くし、自分の経験と採用後の行動を中心に書きます。
実現方法が見えない
「すべての生徒を幸せにする」「いじめをなくす」など、大きな目標だけを書くと実現方法が見えません。
日頃の声かけ、授業の工夫、情報共有など、自分が実践できる行動に置き換えてください。
志望動機をきれいに書こうとすると、本人の経験が消えてしまうんですよね・・・。上手な文章より、「なぜそう考えたのか」を自分の言葉で説明できることのほうが大切です。
自治体志望理由の作り方
自治体志望理由は、施策を詳しく紹介する文章ではありません。
受験先の教育と自分の経験が、どこで重なるのかを示す文章です。
求める教師像や重点施策を読む
自分の経験に近い内容へ絞る
関心を持った理由を説明する
採用後に何をするか伝える
地元だから、実家から通えるからという理由があっても、それだけで終わらせる必要はありません。
地域でどのような経験をし、どのような教育に関わりたいのかまで説明すれば、志望理由として伝わります。
自治体の特徴:地域と連携した体験活動を重視している
自分の経験:地域行事の運営に参加し、世代を超えた関わりの大切さを学んだ
採用後の行動:地域の方と連携し、児童生徒が地域を知る学習を進める
面接カードと口頭回答は同時に作ろう
面接カード用の志望動機を完成させてから、話す練習を始める必要はありません。
文章を書いたら一度声に出し、説明しにくい部分を直します。
書類では短くまとめ、口頭では経験や行動を補足します。書類と面接で内容を変えるのではなく、同じ考えを詳しく説明するイメージです。
教採ギルドの面接対策
志望動機を客観的に確認したい方へ
志望動機や面接カードを、受験自治体に合わせて添削します。文章だけでなく、詳しく聞かれたときの口頭回答まで確認できます。
志望動機から面接で聞かれる質問
志望動機を話すと、経験や自治体志望理由について詳しく聞かれます。
文章を覚えるだけでなく、次の質問にも自分の言葉で答えられるようにしてください。
- 教員を目指した一番のきっかけは何ですか
- なぜほかの仕事ではなく教員なのですか
- なぜこの自治体を受験したのですか
- 自治体のどの取り組みに関心がありますか
- 目指す教師像を実現するために何をしますか
- これまでの経験を学校現場でどう生かしますか
- 希望と異なる学校へ配属された場合はどうしますか
志望動機の一文ごとに「なぜ」「具体的には」「どう行動する」と問い直すと、追加質問を作りやすくなります。
教員採用試験の志望動機に関するFAQ
Q教員を目指す特別な経験がありません。
珍しい経験は必要ありません。学習支援、部活動、アルバイトなど、人に教えた経験や成長を支えた経験を振り返ってください。経験の大きさより、そこから何を考えたかが重要です。
Q複数の自治体で同じ志望動機を使えますか?
教員を目指した理由や目指す教師像は共通して使えます。自治体を選んだ理由と採用後の行動は、受験先の教育施策や地域の状況に合わせて見直してください。
Q自治体の教育方針は引用したほうがよいですか?
長く引用する必要はありません。自分の経験や考えに関係する部分だけを取り上げ、なぜ関心を持ったのか、採用後にどう行動したいのかを説明しましょう。
Q志望動機は何文字で書けばよいですか?
指定された記入欄や文字数に合わせます。指定がない場合も、文字を詰め込まず、結論・経験・自治体志望理由・採用後の行動が確認できる長さに整えてください。
QAIで志望動機を作ってもよいですか?
文章の整理には使えますが、作成された経験や自治体情報をそのまま使わないでください。事実と異なる内容が混ざる場合があります。最後は、自分の経験に合っているか、口頭で説明できるかを人の目で確認しましょう。
まとめ|志望動機は自分の経験から作ろう
教員採用試験の志望動機は、模範解答を探すところから始めるものではありません。
教員を目指した経験を振り返り、目指す教師像と受験自治体で取り組みたいことを整理します。
そのうえで、結論→経験→自治体を選んだ理由→採用後の行動の順に伝えましょう。
文章ができたら声に出し、詳しく聞かれても自分の言葉で説明できるか確認してください。
志望動機・面接カード・口頭回答に対応
自分の志望動機が伝わるか確認しませんか
教採ギルドでは、受験自治体やこれまでの経験に合わせて志望動機を添削します。面接で詳しく聞かれたときの答え方も相談できます。


教採ギルド代表
福永 真 Makoto Fukunaga
あ、どうも、サイト代表の「福永 真」です。
「教採ギルド(教員採用試験の情報・対策サイト)」では、公立学校の先生になりたい方に向けて、教員採用試験に関する情報を発信しています。
孤独になりがちな教採対策の伴走者として、気軽に活用してください☺️








